武雄市議会の一般質問は明快である。
火曜日の話。大村市議会は休会だったので、武雄市議会の一般質問を傍聴しに行った。
師匠・樋渡啓祐市長の答弁は、全て自分の言葉、原稿などは手元にない。まぁ、とにかくわかりやすい。そして、ユーモアがある。武雄市民がケーブルテレビで一般質問を楽しみにする理由は当然である。
なんと言っても傍聴席は満員御礼。私が到着した時には、立ち見。おまけに、立ち見でも議場が見えないほどである。大村市議会ではとても考えられないことである。
そして、議場の右端に設置されたモニター。質問者がパワーポイントなどのプレゼン資料、データ、あるいは道路の破損箇所などの画像を映し出して、質問を行う。答弁する理事者も、映像を通してわかりやすい説明に努める姿勢は真摯である。映像の有無はわかりやすさ、理解の深まり具合を考えると、機能的であることは言うまでもない。
議場では多くの議員が、ノートパソコン、MacBook Airを広げていた。反対派が言うような、好き勝手にネットをしたり、違う作業をする議員なんていない。傍聴席からモニターが見えるので、怪しいサイトを見ている議員は一目瞭然である。
武雄市議会は30代の議員がいない。平均すると、50代以上が中心の議会である。大村市議会よりも遥かに年配の議員多い。
「市長や役所が頑張っているんだから、うちらも頑張らないと。そりゃ、便利なものはどんどん使わないと」
休憩中に武雄市議会の御大とも言うべき方から、頂いた言葉である。
「議会のICT化」については、私も提案している。理解を示してくれる先輩議員もいるが、「時期尚早」「過渡期だから、じっくり見据えるべし」などという残念な反論を頂くこともあった。(むしろ、過渡期だからこそ、進んでいくべきではないだろうか)
使いこなせない、あるいはチャレンジしようとしない、変わろうとしない人間に「組織のレベル」を合わせることほど、非合理なことはない。されど、政治の世界においては、このようなシーンが多くの場面で繰り広げられる。
武雄市議会は「議会のICT化」の取り組みが評価され、昨年のマニフェスト大賞を受賞している。ちなみに、先のコメントを引用した御大は議場で最もヤジを飛ばされる方である。武雄市議会は現場に行けばわかるが、ヤジが飛び交えば、議長が注意し、質問者はヤジに応酬、市長も突っ込んだ発言を行う時もある。先進的な取り組みをしているのだが、これ以上にないほどトラッドな議会でもあるのだ。興味関心のある方は是非とも武雄市議会を見に行くべきである。
武雄市議会の一般質問を見て、改めて議会のICT化の必要性を実感した。諦めずに、大村市議会でも取り上げてもらえるように再提案することにしたい。