7月から当塾は個別学習コースを設立しました。お蔭さまで、「あと1名」という状況です。

 

担当は佐々木朗淳(あきとし)。長崎大学の工学部の2年生であり、村崎塾最初の塾生です。彼は学生アルバイトではなく、正式な村崎塾の講師です。個別指導を始めたのは、彼がいたからです。彼が県外の大学に進学していたら、個別指導コースは設立していなかったと思います。それくらい、教える力を持っています。教育には情熱が必要かもしれませんが、学習指導においては情熱は大事な要素ではありません。教える技術と、生徒の状況を理解する力、あとは勘です。ほめて伸ばすを勘違いした甘やかしの指導、ガッツあふれる熱血指導。

 

この2つは、私が考える学習指導には不要なものです。   佐々木は若いですが、技術だけではなく、勘がいい。ひとり一人の生徒の課題を把握し、どのくらいのレベルの問題を解かせたらよいか、しっかりと見極める力を有しています。ですから、開設して1ヶ月も経たないうちに、定員が埋まりつつあります。

 

 

個別学習の考え方としては、「遅れを取り戻す場」「基礎基本をやり直す場」という風にお考えください。医療でたとえると「集中治療室」です。英語・数学という「積み上げ式の科目」において、致命的な遅れがある場合、「ある日突然、理解できるようになった!」なんて奇跡は起こりません。この2科目だけは、基礎ができていないと2年次、3年次の内容は理解できません。ですから、英語・数学の点数が40点未満であれば、「集中治療室」に一刻も早く駆け込むべきだと考えます。

 

 

さらに、辛辣に言います。英語・数学が40点未満の生徒の多くは、学校の授業は不参加、あるいは自分に関係がないという線引きをしている可能性すらあります。それは、仕方のないことです。目の前の先生が話す内容、隣にいるクラスメイト達が何をしているのか、理解不能なのですから。そのような子に「勉強しなさい」「もっと学習時間をかけなさい」という言葉は無意味なものです。もう、何から始めたらいいのかお手上げなのです。

 

 

ですから、個別学習に関しては短期集中で治療する、というのが理想的です。本気で改善するなら、部活を1ヶ月間通わせないで治療するくらいの気持ちがないと難しいかもしれません。よく、お問い合わせを受けますが、個別学習と集団学習どちらがよいかを見極めるラインですが、私としましては、英語・数学が50点あれば集団学習で充分です。最近のケースでは、英語16点→44点に向上した異例のケース(現在中学2年生)があります。

 

 

最後になりますが、個別学習は一時的なものであって欲しいというものです。

 

通常の中学校の授業、進学後の高校、大学、専門学校では集団指導が基本です。社会に出ても、似たような状況は続きます。ですから、個別学習に慣れてしまい、「甘えの学習」がスタンダードになるのは危険なことです。今年から開設した高校部の生徒を見ていて、強く実感することがあります。(当塾を含め)集団指導塾で学んできた生徒と、個別指導を売りにした塾出身の生徒では、授業の受け方・学習の取り組みがあまりに違うのです。

 

 

個別学習というと、手取り足取りできめ細かなサービスというイメージがあります。それが、教育という分野においては、生徒本人の自主性・考える力を奪うことに繋がるのではないかと思うのです。ですから、お子さんの「つまづき」が解消したら、個別学習から集団学習に移行する。そのプロセスを大切にするような指導を行っていきたいと考えています。今月から始めたばかりなので、考え方は少しずつ変わっていくかもしれませんが(笑)

 

 

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