.03 2019.10

「大村市議会議員は、みな眠れない夜。」

 

今夜、安眠している議員は、おそらく一人もいないだろう。
いや、間違いなくいない。今、この時間(10月3日午前1時)に多くの議員と電話、メールでやり取りをしている。議員経験13年間で、こんな夜は初めてである。

 

明日(10月3日)は9月議会最終日。本会議採決。
ひとり一人の議員が、市民の代弁者として意思表示をする。

 

補正予算に計上された移住・定住促進事業の「地域経済循環創造事業補助金」867万5000円を巡って、大村市議会は連日、白熱した議論を行ってきた。

 

なぜ、白熱した議論だったのか。経過をまとめたい。

 

「松原の古民家(旧店舗)リノベーション事業の妥当性とは?」

 

この867万円の事業は、アップした資料にある通り、国・大村市の補助金、事業者が受けた融資で計画されている。

 

 

内容は、松原地区の廃業した店舗をリニューアルして、飲食店舗、レンタルスペース、宿泊施設などの複合的な交流施設を整備するというものだ。

 

場所は松原出張所前の旧ともなが商店である。

 

 

 

廃業した店舗を、解体せずにリノベーションをして、松原活性化の核にしようというのが事業目的だ。事業実施主体者が東京の企業で、「株式会社G.U.style」である。もちろん、市内企業ではなく、東京の企業が主体になるのか、異論の声は多かった。

 

「6月議会は14対10で、予算修正(削除)」

 

6月議会で、市議会は同事業の予算を修正否決した。(つまり削除)

 

 

主な理由としては、①本事業に関して、松原の地元住民への説明と同意が不十分、②本事業の経営計画の見通しが不明瞭であること。

 

なお、採決態度は14対10であった。

 

 

「議会が否決した予算を、再び9月に再提出へ!」

 

議会として一定の結論を出したにもかかわらず、市はほぼ同じ事業内容・予算で9月議会に提出してきた。私の議員歴では、今までにないことだ。

※8月に市及び事業者が地元説明会を実施している

 

議会は、連日、連夜、この事業の予算を認めるか、修正するべきか真剣に議論を行ってきた。

 

「自治の基本は、地元の声。考えるべきは事業の費用対効果と継続性」

 

私はかつて、松原のゲットインというジムに通っていたことがあるため、そこで知り合った松原の方を中心にヒアリングした。

 

私が直接聞いた声としては、

 

「インバウンドで外国人が、あの静かな松原のまちに増えることは、生活空間として歓迎できない。議会として、引き続き修正否決してほしい」

 

「何かをやって盛り上げることは必要なのはわかるけど、松原に欲しいものはそういう施設ではない」

 

「東京の人がするとでしょ。みんなで一緒にやるような空気はないよ。ともに盛り上がる空気がないとうまくいかん」

 

「正直、どっちでもいいかな」

 

私のお付き合いに偏りがあるのは認めるが、反対の声が多かった。

 

私は、「(地域共有の)課題があってそれを解決するため公金は投じられるべき」

 

を基本原則にしている。

 

このような、いち事業者(それも東京)のプロジェクトに
市の公金を投じる意味を見いだせない。

そもそも商店が廃業した場所で、東京の事業者が活性化できるのか。

赤字運営になって、市に財政支援を求めてきたり、事業者が運営を放り投げ市の直営になったりはしないか。

 

長期的な視点で、事業の継続性を考えると明確なゴーサインを出すことはできない。

 

「教育委員のありえない議会批判の投稿」

 

 

そして、今朝。(10月2日午前9時ごろ)

 

この事業の関係者(松原活性化の中心的存在)でもあり、教育委員を務めている方が、以下の内容で、Facebookにアップしたのだ。

(その方に配慮して、スクリーンショットの画像はアップしない)

 

「(本事業が)大村市議会で否決されるかもしれないという連絡を受けた。

 

議会は何を見ているんだろう

 

と、全体公開で発信したのだ。

 

これは、もう本当にあり得ない。

 

いち市民、いち個人としての投稿は何も問題はない。

ただし、この方は教育委員である。教育委員は市長が任命するが、議会の同意がなくては任命できない。

そして教育委員は教育行政に関して、政治的中立を求められる立場である。

 

本事業は教育行政に属するものではないが、

 

この事業の利害関係者であり、教育委員の一人が、

 

議会批判、議会敵視、議会を侮辱するような個人的見解を発信されたのである。

 

道義的に問題であることは否めない。

 

議会運営委員会を開き、教育長を招集。

 

教育長は「委員の投稿は遺憾である。確認して対応を、明日(10月3日)議会に報告したい」

 

と答弁された。

 

私個人としては、委員の発信は軽率であり、認識はあまりにも甘すぎる。

 

 

議会はこの事業について、懸命に妥当性、継続性、費用対効果について、6月から時間をかけて深く議論してきた。

 

本来なら意思統一するべき同じ会派でも、意見が割れるのだ。議会が真っ二つ割れるような状況なんだ。なんとかお互いの妥協点、一致点を探ろうと取り組んできたんだ。それでも、意見の統一が図れない。(仲間内で意見が割れるのは本当に辛い)

 

一人ひとりが、覚悟、政治信念をかけて、なんとか自分の結論を出そうとしてきたことに、

 

「議会はどこを見ているんだろう」という見解は、利害関係者・教育委員として、何とも狭量で稚拙ではないか。

教育委員として不適格である。

 

 

狭いまちゆえ、私はその委員と個人的なお付き合い、やりとりもあるので、複雑な心境ではある。

ただし、そういう情を交えた対応はするべきではない。

私は潔く辞職されるべきだと思うし、ご本人が辞職されないのであれば、園田市長は罷免するべきだと考えている。

 

ただし、このプロジェクトの事業の可否と、同委員の投稿問題は切り分けるべきだ。

 

この事業を推し進めるべきと思う議員は、堂々と賛成の声をあげるべきだ。ブレーキをかけようと思うものは、堂々とその理由を語ればよい。

それが大村市議会のあるべき姿だと思う。

 

そういうわけで、明日(10月3日)の議会は多くの市民の方にご注目頂きたいです。

議員当人が、どのような結論に至るか、全く読めない。

 

議員一人ひとりがどのような主張をするのか、どのような結論を出すのか、ぜひともチェックしていただきたいです。

 

 

私は、この事業予算は認められません。この事業が成功すると断言できない。

今のままで認めることは、当選確率のわからない宝くじを公金で買うようなものだ。

 

 

「なんかしてみよう」「なにかしてみなきゃ」のノリで、公金が投じられる状況は議会人として回避するべきだ。わざわざ新たにニーズのないもの、余計なことはしなくていい。

老朽化している施設、物品、いっぱいありますよね。既存の行政サービスの品質向上こそ、大村市民は望んでいるんじゃないでしょうか。

 

 

まとめるはずが、経過説明だけで長くなりましたね。

 

「自分たちのことは自分たちで決める。誰かに決められるのは放棄」

 

国が補助金を認め、親和銀行が融資を認めたのに、市議会が認めないのはおかしい。

という、権威主義に陶酔した考え方もあるらしい。本当にそれでいいのだろうか。

市のことは市議会議員が決める。自分たちのことは自分たちで決める。それが自治であり、地方議会の原則。

 

「国と銀行が決めることに従うんだったら、おいたちいらんばい!」って話です。

 

 

明日の結果はどうなるか本当にわからない。
多くの議員が眠れずに、考えていると思う。
最後の最後まで、採決のその瞬間まで。

 

大村市議会議員みんな、責任と覚悟をもって大村の未来を見ていると思うのは、私だけでしょうか。

 

 

主張、信条は異なっても、真剣に本音をぶつけて大村の未来を議論する24名の議員は、私の誇りです。